フカヒレ料理に見る食文化と生態系

私のスープにサメが入っているんですが・・・
フカヒレ料理に見る食文化と生態系

画像



恐竜が地球上に姿を現す2億年ほど前、それゆえ人類が派手な披露宴で結婚を祝うようになるかなり前から、サメは海を泳いでいた。

サメの起源は木よりも古く、地球で起きた大量絶滅を少なくとも4度生き延びてきた。

 古来の捕食者であるサメと現代の結婚披露宴とのつながりは、中国人の間では、客にフカヒレスープを振る舞うことが気前の良さと威信の証しだということだ。

中国人は13億人以上いるうえ、日に日に豊かになっているため、この習慣がサメの個体数に与える影響は決して小さくない。

カリフォルニア州で審議されるフカヒレ禁止法案

 年間およそ7000万頭のサメがヒレを取るために殺されている。多くの場合、ヒレは海で切り落とされ、血まみれのサメの胴体は海に放り出されて死ぬ。

 カリフォルニア州議会は、中国系米国人のポール・フォン議員(民主党)が共同提出した、フカヒレの販売、消費、取引を禁止する法案を審議している。

ハワイ、オレゴン、ワシントン各州は既に同じような禁止措置を講じている。

 カリフォルニア州は米国内で消費されるフカヒレの85%を占めている。法案は州議会下院を通過したが、中国系米国人を差別するとの懸念から上院で棚上げになっている。

 実際、人が何を食べるかはデリケートな話題であり、かなりの偽善を生み出すテーマだ。

様々な文化は、何を食べるのが適切で、何を食べるのが不適切かという独自のタブーを定めてきた。

 イスラム教徒とユダヤ人は豚を食べない。ヒンドゥー教徒は牛を食べない。

大半の米国人はヘビやクジラを食べない。ジャイナ教徒とあらゆる文化の菜食主義者は、どんな動物も一切口にしない。

欧米人に顕著な自己欺瞞

 欧米人は特に、ほかの人が食べるものを鼻であしらう傾向がある。彼らの見解は概して非論理的で、時に侮蔑的だ。

 欧米人は心の中で動物を、食べる動物(豚や羊、鶏)と、抱きしめたりなでたりする動物(猫、犬、馬)、

そして、食べるにはあまりに見た目が悪いか風変わり、あるいは賢すぎる動物(例えばカブトムシ、シマウマ、イルカ)に区別している。

多くの人は、野蛮なことは嫌いだと公言する――棒でアザラシを殴り殺す様子を思い浮かべるといい。

だが、彼らは喜んで子牛の肉を食べ、近所の食肉処理場で何が起きているか無視する。

 米国人のドキュメンタリー映画監督、マイケル・ムーア氏は「ロジャー・アンド・ミー」で――もしかしたら意図しなかったかもしれないが――見事に、こうした自己欺瞞を暴いた。

ウサギはペット? それとも肉?

 ミシガン州フリントの貧困を強調しようとしたシーンで、ウサギを売っている女性が客に向かって、欲しいのは「ペットか肉か」と尋ねる様子が映し出されている。

答えが「ペット」であれば、かわいいウサギは喜ぶ子供に手渡される。答えが「肉」であれば、不運な動物はその場で鉛のパイプで殴り殺され、皮をはがれるのだ。

 社会は豊かになればなるほど、食べ物にうるさくなる傾向がある。多くの人(筆者を含む)は、臓器や腸、脳などを食べることを拒み、自分たちのために殺された動物の半分を無駄にしている。

欧米以外の社会、特にアジアでは、こうした部位はよく食され、珍重されることもある。

 動物をほぼ丸ごと食べようとする意欲において、中国と日本は大半の欧米諸国よりはるかに高い点がつく。

 であれば、まさか、フカヒレを食べることに反対できるはずはないだろう? 

 ところが実際、反対できるし、すべきである。その理由は、資源の保全とより大きな生態系と関係している。

サメの一部の種は個体数が70%も減っており、シロシュモクザメやオオメジロザメ、イタチザメなどの一握りの種は90%以上激減した。

生態系に大きな異変

 サメは海で最上位の捕食者だ。

サメが存在しないと大損害をもたらす。

米国の東海岸沖ではかつて、サメが海底で暮らす魚を食べていた。

サメの数が激減した今、そうした魚がホタテ貝やハマグリ、カキをがつがつ食べ、海洋資源を急減させている。

 フカヒレは一度乾燥させて瓶に詰めると、どんな種類のサメのヒレなのか、あるいはヒレだけが切り落とされたのかどうか知ることはほぼ不可能だ。

世界のフカヒレの半分が取引されている香港。

上環地区のある店の店員は、ヒレが絶滅危惧種のものかどうか知らないと認める。

この店ではサメの肉を売っておらず、サメの死体が海に放り込まれているのは本当かもしれないと言う。

 残酷さだけでなく、信じ難い無駄もある。平均的なサメは、スープ10杯分くらいにしかならないのだ。

伝統は変わる

 確かに、フカヒレは伝統的だ。ある作家が指摘するように、人にフカヒレを食べるのをやめるよう頼むことは、米国人は感謝祭に七面鳥を食べるのをやめるべきだと言うようなものだ。

 一定の種類のキャビアやクジラなど、ほかの食べ物を禁止する論拠は確かにあるだろう。

だが、文化というものは不変ではない。伝統は変わる。それが持続不能な時は特にそうだ。

 幸い、フカヒレに反対する著名な活動家の多くは中国人だ。

最も熱心な活動家の1人が、最近引退したバスケットボール界のスター、姚明だ。かつて広東式の宴会ではフカヒレが必須とされた香港で、多くの若者がフカヒレを食べなくなっている。

さらに、サメが工業規模で海から引き揚げられるようになった今、フカヒレの威信は薄れている。

 カナダでは、少なからぬ数の中国系カップルが、結婚式でフカヒレを出さないことを誇示している。

ジュディー・ラオさんは最近、バンクーバーのザ・プロバンス紙に対し、自分の披露宴でフカヒレを出さなかった理由を語った。

 「私たちは全くどうでもいいと思っているし、友人も気にしない。

それに、フカヒレはどのみち栄養価がゼロですからね」とラオさん。

「だったら、なぜ出さないといけないの?」 そう、一体なぜか、という話だろう。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

2011年09月03日 00:01
台風のせいで30℃超えです。お腹の脂肪が厚くて暑いです。長野はどうですか?
ずくなしさん、こ(^0^)ん(^_^)ば(^▽^)ん(^_^)わ(^○^)
イイ話なのですが長くて、暑くて、理解半分。すみませんが、夜更かしは肌に悪いの、老化の元なので、もう寝ます。
オ(*¨)ヤ(*・・)ス(*..)ミ(*__)o。。oO
2011年09月03日 05:10
おはようございます。

メロンパンさん

こちらは、それ程暑いということはありません。

大雨警報が出ていました。

現在小康状態です。

畑のリンゴ、ブドウがどうなっているやら